この記事では、レッドビーシュリンプ飼育に欠かせないミネラルの添加材についてご紹介します。
正しい使い方をマスターすることで、レッドビーシュリンプにとってより良い水を作ることができます。
レッドビーシュリンプに添加剤を使用するときの考え方
ども、元ブリーダーのurushiです。
今回は添加剤の使い方について記事を書いていきたいと思います。
添加剤はあくまでもサポート
まず、実際に添加剤のお話に入る前に大事なポイントを。
urushiもそうでしたが、初心者の方は添加剤を多用したり、添加剤ジプシーとなっていろいろなものに手を出しすぎたりする傾向があります。
実際に飼育をマスターすると添加剤には頼るのはほんの少しなんです。
調子のよい水槽をさらにもう少し良くするのが添加剤
レッドビーシュリンプを飼育していて調子が悪い水槽があったとして、添加剤を入れて調子が上がることはほとんどありません。
urushiにとって添加剤は、調子の良い水槽をもう少し絶好調に近づけるイメージです。
例えば、バクテリアが十分に働いていない水槽でレッドビーシュリンプを飼育していると仮定します。
そして『どうも調子が悪い』と感じているとします。
そんな時に初心者の方は、何かしらの添加剤を入れたくなるんです。
しかし、今からバクテリア剤を追加してもレッドビーシュリンプが負ったダメージは無いことにはできませんし、バクテリアが活動するまでにはかなり時間がかかるので、その間にもレッドビーシュリンプは弱っていきます。
さらに、本来の調子を崩した水槽にミネラルやカルシウムを添加したところで、レッドビーシュリンプが持ち直すことはありません。

添加剤を入れすぎることで水のバランスが崩れることも
飼育水はバクテリアなどの微生物だけではなく、ミネラル成分が解けてイオン化した状態のモノがバランスを取り合って良い状態になります。
添加剤は水道水などの元水に対して『欠けている成分』を補うのに優れています。
逆に考えると、添加剤の使用方法を間違ってしまうと、何かしらの物質を『強化し過ぎる』危険性もあります。熱帯魚では大丈夫でもレッドビーシュリンプにとっては致命的となる場合もあります。
これは単にレッドビーシュリンプが弱いというわけでなく、一般的に甲殻類が水とのやり取りが魚より多いことも関係しています。このやり取りとは、脱皮時に水中から直接柔らかい殻からミネラル分を吸収したり、普段でもエラを通して水中から微量元素を取り入れたりしていることを指します。
簡単に言うと、レッドビーシュリンプは、水質に依存している部分が大きいということになります。
水に依存している部分が多いからこそ、水の状態に敏感に反応します。水がバランスを崩すとレッドビーシュリンプも調子を崩します。
ヒトにとっても少量では、塩分はミネラル補充になりますが多量に摂取すると健康被害を引き起こしますね。それと同じことが添加物を入れすぎるとレッドビーシュリンプにも起こると考えれば分かり易いかもしれません。
ポイント
使い方が悪ければ、どんなに良いミネラル剤も毒になる。
塩でも同じことですよね。
いったい何が入っているのか??不明な添加剤に注意
じつはアクアリウムのグッズには、『いったい何が効くのか?』『何が入っているのか?』『本当に有効成分は含まれているのか?』といった製品が多いです。
研究開発の色々と制約の厳しいラボにいたurushiとしては、物質の中身が怪しい物の多さにちょっと引いています。
儲かると思ったら、業者(一流でない)が安い原価で品物を作って、ほら販売!といった感じです。
研究所や養殖試験場などにいなければ精密な水質検査も実施できませんので、内容が怪しい商品でも家庭用アクアグッズの添加剤は実際のところ愛好家の方にはバレないんです。
だからこそ、いろんな添加剤をさまよう添加剤ジプシーにはならないでください。実績がある物を使用するのが一番です。
ミネラル系統の添加剤の使用方法
ミネラル系統の添加剤は入れすぎに注意が必要です。
その『入れすぎ』の判断材料となるのが、TDSメーターです。
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TDSメーターを用いることで、水の中の不純物(ミネラル分も含みます)がどれくらい存在するのかを可視化できるので、添加剤を入れすぎることを防ぐことができます。
元々使用している水自体の不純物が高濃度なのか、それともとても低くてミネラル分が不足しているのかによっても、添加剤の量も変わってきます。
正確にミネラルやカルシウム剤のコントロールをするには、TDSメーターを使用するのが安全で確実といえます。
目的とするTDSの値や、TDSについて正しく知るにはレッドビーシュリンプの数値目標|TDSの値を正しく知ろうの漆えび論文を参考にしてください。
TDSメーターを使用している場合の添加剤の使用方法
TDSメーターを使い、元の水を測定します。
地域によって元の水のppmの値は変わってきます。さらに浄水器を通しているか否かでも変わります。
urushiは何度か引っ越しを経験しており、関東も関西も中国地方の水も経験していますが千差万別でした。どうしても水が夏場になると悪くなる集合住宅に暮らしていた時は、エキスパートフレッシュという浄水器を使用していました。
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水槽に直接ドボドボと添加剤を入れるのは避けましょう!
TDSメーターを用いながら、足し水もしくは水替え用の水にミネラル剤を添加しTDS値が100~300位になるように調整し、その水を水槽に入れることでミネラルの補充を行います。
例えば初めてミネラルを添加する場合、現在の水槽の水のTDS値が100ppmだとしたら、いきなり300ppmにするのではなく、110~120ppmくらいに追加する水のTDS値を調整して添加します。これで十分です。
足し水や換水を繰り返すことで、水槽内の水は次第に100ppmの不純物が仮にあったとしても、10ppm~20ppmはミネラル分になります。
レッドビーシュリンプ水槽へのミネラル剤の添加の様子
水槽内のTDS値の計測し水作りの目標値を決める
まず水槽内のTDS値を計測し、目標となる数値を導き出します。
urushiはミネラル剤を初めて入れるわけではないので、目標とするTDS値は120ppm前後となります。(ちなみにurushiがもし初めて添加する場合だったなら、少し高めの130ppmを狙います。)
足し水に利用する水のTDS値を計測する
バケツに浄水器を通した水を用意し、TDS値を計測します。
めちゃくちゃ元の水が悪くなければ、浄水器のおすすめはマーフィード 観賞魚用浄水器 スタンダード・ネオです。
urushiの環境では、浄水後のTDS値は69ppmでした。
69ppmの水をミネラル添加剤を使用し目標の120ppmへもっていきます。
■69ppm→120ppm
バイオカルチャーSMWで調整
バイオカルチャーSMWを使用し、水を混ぜながらシリンジで少量ずつ加え、目標の120ppmまでTDS値を上げます。
目標の120ppm付近まで上昇したので、これで足し水は完成。
今回は水温は水槽と足し水の水が、ほぼ同じだったので調整はなしですが、冬場や夏場は水温にも注意してください。
水槽に足し水を行う
少しずつちょろちょろと、水流で中のエビが驚かないように入れます。
ちなみに、エキスパートフレッシュなど不純物を除去する浄水器が使用できる場合は、浄水後のTDS値が30~50ppmほどになるので、100ppmに調整すると50ppm分はエビにとって有益なミネラル分を添加してあげることができます。
稚エビも元気にしています!
TDSメーターがない場合の添加剤の使用方法
TDSメーターがない場合は、正確に適した分だけミネラルを添加することは難しいと言えます。
とくに初心者は、添加剤を入れすぎる傾向になるので指標として数値は大切です。
どうしてもTDSメーターを入手できない場合もあると思いますので、その場合に比較的安全に添加する方法をご紹介します。
あると便利なグッズ
・1リットルもしくは2リットルのペットボトルやバケツ。
・スポイトやシリンジ

足し水もしくは換水用の水、1リットルに対して1滴だけミネラル剤を添加します。このミネラル剤はurushiの場合バイオカルチャーSMWもしくはミネリッチになります。それ以外は使用していません。
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元の水のTDS値も分からないので、急変を避け1リットル当たり1滴だけのミネラル添加が安全です。
1リットルのペットボトルを用意して添加する
1リットルのペットボトルに浄水器を通した水を満タン入れます。
この時のペットボトルは、水かスポーツドリンクのモノが安全でおすすめです。
バイオカルチャーSMWを1滴加える
1リットルの水に対して目標の導電率になるまでバイオカルチャーSMWを加えます。
蓋をしてよく混ぜる
ペットボトルに蓋をして、よく混ぜます。
これで足し水は完成です。
季節によっては足し水に使う水と水槽の水の温度に開きがあるので、その場合は温度を調整します。
レッドビーシュリンプの水槽に足し水を行う
レッドビーシュリンプが驚かないように、少しずつ足し水を行います。
稚エビが水流で流されないように、注意しながら足し水を行います。
レッドビーシュリンプのためのミネラル添加剤の注意点とコツ まとめ
この記事では「レッドビーシュリンプのためのミネラル添加剤の注意点とコツ」について書きました。
調子が悪い水槽に添加材をドボドボ入れると、レッドビーシュリンプを弱らせる原因にもなり得ます。正しく使いこなし、理想の水を目指しましょう!
ミネラル剤でよく勘違いされる方がいるのですが…ミネラル剤は調子の悪い水槽に入れても効果はほとんどありません。




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