ビーシュリンプの色揚げや繁殖にも影響を与えるけれど、初心者さんには軽視されがちなアイテムが水槽のライトです。
特に小型水槽でセットになっているLEDライトでは光量と光線の種類が不足して、ビーシュリンプのポテンシャルを発揮させてあげることができません。
シャドーシュリンプ系のハイブリット種と違い、ビーシュリンプは光と色揚げが密接に関係しています。色が薄いと感じているビーシュリンプは、じつは必要なライティングで見違えるくらいキレイになるかもしれません。
この記事ではビーシュリンプの色揚げや繁殖の成功につながるライトの選び方とおすすめの照明をご紹介します。
ビーシュリンプのための照明・ライトの種類
ビーシュリンプを購入してビニール袋から水槽に入れると、スケスケになっているビーシュリンプの色がキレイになったと感じると思います。また、夜のライトが消えている時間に、白い色が薄いと感じることもあるかもしれません。
ビーシュリンプの色揚げ効果
ビーシュリンプと光の強さとは密接な関係があります。ビーシュリンプは光が強い方が、殻の色味を濃くするという特徴があります。
シャドーシュリンプ系のエビは、周囲が暗くても色味の変化は少ないです。ビーシュリンプとシャドーシュリンプ系では、持っている色素に違いがあり、光への感受性が高いか?光の影響を受けにくいか?の違いが出ます。
ビーシュリンプは光への感受性が高いので、水槽のライトを適正に選んで必要な光量や光の波長を与えてあげることで、最大にその個体が持つ色彩を引き出してあげることができます。
ビーシュリンプの生活圏
ビーシュリンプの繁殖への影響もライトが関係します。ビーシュリンプはヌマエビであるため、原種も水深が浅い環境に適して進化しました。水深が浅いという事は、太陽光をたくさん浴びる環境が生活圏となります。ライトの光量が少ないとビーシュリンプにとっては、生活に適した環境でないため、脱皮を伴い一番体力を使う繁殖へ影響が出てきます。
色の濃い血統を作る
真っ暗な洞窟で暮らすブラインドケーブ・カラシンという魚は、視力が必要ないため目が退化しました。他にも泥の中で暮らす魚なども目がとても小さく目を退化させることで生き残るために進化しています。
ビーシュリンプのライトを適正にして色揚げしても、ライトが暗くなると意味がないように感じるかも知れません。しかし、ビーシュリンプは短時間で進化する生き物で、『光への耐性=殻の色彩を濃くする』ということは遺伝します。
ビーシュリンプの進化は人間と比べ物にならないほど早く、強い光に耐えるために色彩の濃い方が生存に向いていると遺伝子が判断し、色彩の濃い個体が徐々に増えます。(もちろん、選別を繰り返すことで濃くキレイな個体を作る速度は、別次元ほど早く加速することができます。)
水槽用ライトの種類
水槽内でビーシュリンプを飼育するのに適したライトを個別にご紹介します。
アクアリウムで使われるライトには、大きく4種類あります。
ライトの種類
- LEDライト
- 蛍光灯ライト
- メタハラライト(メタルハライドランプ)
- 水中蛍光灯
メタハラは10年位前に、レッドビーシュリンプ愛好家やブリーダーの間で流行りました。太陽光に近いかなり強い光が人気の理由です。
水中蛍光灯は、アロワナの飼育で使われるアイテムです。
LEDライトの特徴
LEDライトが今ではアクアリウムの照明として一般的になってきた印象です。
LEDライトのメリット
LEDライトにはビーシュリンプを飼育する上でのメリットがあります。
LEDライトのメリット
- 発熱が少なく水温上昇が抑えられる
- 電気代が少し安い
LEDライトは熱の発生が少なく、水温の上昇が抑えられるというメリットがあります。ビーシュリンプは高水温に弱く、水温を25℃前後でキープして飼育する必要があります。ライトが高温で発熱すると、水槽では想像以上に水温の上昇がみられます。
LEDライトは蛍光灯より消費電力が少ないという特徴があるので、水槽をたくさん置いている場合などで電気代が少し安くなるというメリットもあります。
LEDライトを選ぶときの注意点
LEDライトを選ぶときには注意したい点があります。それは、LEDライトは単色の発光をする点です。
太陽の光は、白・赤・青・黄色・紫…など多くの光の波長が揃っています。LEDライトは白は白しか波長をもちません。つまり、太陽の光に近い色々な波長を出せるLEDライトを選ばなければ、ビーシュリンプにとって明るいだけの光にしかなりません。
ただ単に明るい光という事は、少し乱暴に言い換えると『人間がLEDライトで日焼けをしようとしている』ようなものです。
おすすめのLEDライト
LEDライトを選ぶときのポイントは、水草が良く育つLEDライトであることです。光合成を行う水草は光のとても良い指標で、太陽光に近い光でなければ生育が悪いです。
赤や青の波長のLEDが装備された、水草が良く育つことが記載されているLEDライトを選べば失敗しません。
蛍光灯ライトの特徴
蛍光灯は、太陽光に近い自然な光が出せる特徴があります。最近ではLEDライトの勢いに押されていますが、CO2の添加が必要な育成の難しい水草を使う水槽では今も、後に少し解説するメタハラか蛍光灯が選択されています。
蛍光灯ライトのメリット
蛍光灯ライトにはメリットがあります。
蛍光灯ライトのメリット
- 太陽光に近い光が出せる
- メタハラよりも本体価格がかなり安い
太陽光に近い光を出せるのが蛍光灯ライトの最大のメリットです。アクアリウム専用で開発された蛍光灯は、太陽光のように幅広いバランスの良い波長で、最適な光量で色温度を有しています。
太陽光のような強烈な光が出せるメタハラには敵いませんが、メタハラの価格よりもかなり安いことを考慮すれば魅力十分です。
蛍光灯ライトを選ぶときの注意点
蛍光灯ライトの弱点は発熱が多いことです。この点を考慮して、蛍光灯ライトを選ぶときは、水槽と距離が取れるリフトアップ式か吊り下げ式がよいでしょう。
おすすめの蛍光灯ライト
ビーシュリンプの飼育で使いやすいのは吊り下げ式の蛍光灯ライトだと思います。スパイラル蛍光灯はとても明るく、デザイン性にも優れています。
番外編|メタハラ
メタハラは、10年以上前にビーシュリンプの愛好家やブリーダーの間で話題になったライトです。今でも使っておられるブリーダーさんもいらっしゃると思います。
太陽光のように圧倒的に明るい照明で、海水水槽のサンゴなどの育成や難易度の高い水草水槽のアイテムです。最大の特徴が太陽の光のように紫外線が出ることで、ビーシュリンプがキレイになると評判です。
ただ、1つ当たりの値段が高いことや、発熱量が多いこと、交換ランプも高額という点で、多くの水槽に設置するエビキーパーには導入するのが難しいライトでもあります。
ビーシュリンプ飼育のライト|おすすめの照明と選び方 まとめ
この記事では「ビーシュリンプ飼育のライト|おすすめの照明と選び方」を書きました。
水槽のライト選びはじつはとても重要で、ビーシュリンプの色揚げや繁殖にも影響を与えます。暗すぎるライトや、ただ明るいライトではビーシュリンプが必要としている光の成分が不足していることもあります。必要な光が足りないと、本来持っているキレイな色彩が発揮されません。
ビーシュリンプに適したライトを使うことで飼育のステップアップをはかりましょう!
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