レッドビーシュリンプの足しソイルの方法 -漆えび流-

ソイルを入れる

ども、元ブリーダーのurushiです。

レッドビーシュリンプ飼育が上手にできるようになると、レッドビーシュリンプや水の調子は悪くないものの、ちょっと栄養系ソイルの効果が切れてきたかな?と感じることがあると思います。

今回は、そんな時に役立つ『足しソイル』という方法のご紹介です。

この記事では「レッドビーシュリンプの足しソイルの方法 -漆えび流」について書いています。

レッドビーシュリンプで用いる、足しソイルとは何?

足しソイルの説明をする前に、先に注意事項を書きます。

まず最初に足しソイルの注意事項

①足しソイルのテクニックは初心者さん向けではありません。
②水槽1本でレッドビーシュリンプを飼育している場合はオススメしません。

まず守っていただきたいのが上記の2点です。

理由は、足しソイルにはアマゾニア(栄養系ソイル)を用いるため、エビを飼育している水槽内のアンモニアや亜硝酸といった三体窒素が上昇します。

レッドビーシュリンプ初心者さんではエビの調子が悪くなってしまった場合に気が付かず、最悪の場合死なせてしまう恐れがあります。

水槽の本数が1本の場合も、万が一足しソイルに失敗した場合にエビを逃がす先がなければ、アンモニアや亜硝酸でレッドビーシュリンプがダメージを受けてしまい、後々ポツポツと死亡する状態を招いてしまうことがあるからです。

 

アマゾニアからアンモニアや亜硝酸が溶出することについては、この記事を参考にしてください。↓

アマゾニアソイルをビーシュリンプに使う時のポイント!栄養系ソイルには注意!

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足しソイルって何をするの?

足しソイルとは、レッドビーシュリンプを飼育している水槽に栄養系ソイルを追加することです。

アマゾニアに代表される(栄養系ソイル)は、フミン・フルボ酸などレッドビーシュリンプにとって有効な成分をたくさん含んでいます。水槽立ち上げ当初は、多くの物質が流出することでレッドビーシュリンプには有毒となり得るのですが、成分の放出が落ち着きバクテリアとのバランスが取れれば、レッドビーシュリンプが爆殖する有能なソイルです。

立ち上げから時間が経過すれば、次第にアマゾニアからの流出物は枯渇します。そうなった時に有効なのが『足しソイル』です。

 

目安としては、水槽の状態も良いし、レッドビーシュリンプも調子が良い。でも少し稚エビの歩留まりが落ちたかなぁ?ケンミジンコが減ったな。という時に行います。

間違っても、水槽の調子が良くない時に行ってはいけません。その時はリセットが一番良い方法と言えます。

 

レッドビーシュリンプ水槽を再活性させる 足しソイル

足しソイルの注意点は前に述べました。

では足しソイルのメリットはなんでしょう。

1番はレッドビーシュリンプ水槽を再度活性化することです。そして二つ目のメリットは、リセットしないという事です。

リセットは体力的にも時間的にも重労働になります。そして生まれたての稚エビが多い水槽では、リセットは移動や水質の変化などで稚エビを殺してしまうリスクが大きくなります。

足しソイルでリセットを回避できれば、人にもレッドビーシュリンプにもメリットがあると言えます。

 

実際の足しソイルの方法をご紹介!

urushi
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ここからは、実践編です。

実際に足しソイルをする方法をご紹介します。

 

足しソイルに使うアマゾニアの用意

まず最初に、足しソイルに使用するアマゾニアを用意します。

用意するソイルの量は水槽の大きさ(水量)により変わります。1度の足しソイルの章は、多くても(エビを飼育している水槽の)水量50リットルに対し、足しソイル200ccまでにします。

1度に加える足しソイルの量が多ければ多いほど、アンモニアや亜硝酸の溶出量が増えます。水槽内のバクテリアの量にも寄りますが、多すぎる足しソイルは非常に危険です。

また、水槽内には水草や流木などの内容物があり、実際の水量が水槽の体積分入っていないことにも注意してください。

 

今回は45リットルほどの水槽に足しソイルをするので、ソイルは120ccほど用意しました。

 

用意したアマゾニアをカップに入れ、水槽内の水で浸します。

水に馴染ませておくことで、水槽投入時に浮き上がったりせず扱いやすくなります。

 

水槽内の古いアマゾニアとスラッジを取り出す

足しソイルは水槽の前面で行います。

水槽の前面は普段餌を与える場所でもあり、一番ソイルが汚れる場所です。

さらに一番観察しやすく作業し易い場所ですので、水槽の前面に足しソイルを行います。

 

足しソイルを行う場所の古いアマゾニアとスラッジを取り出します。

大きなスポイトを使えば、レッドビーシュリンプに危害を加えることなく簡単に行えます。

こういった大きなスポイトを使用します。

ソイルの表面から少し下に、スラッジが見えます。スラッジは食べ残しや糞などの汚れとそれを分解しようとしているバクテリアの塊です。

バクテリアがいるなら取り出しちゃっていいの?と思うかもしれませんが、スラッジが多くなると底面フィルターの水の流れが悪くなり、ソイル内の活性が一気に落ちてしまいます。そうなるとレッドビーシュリンプの状態悪化にも繋がるので、足しソイルの際はざっと取れる部分だけで取り出します。

 

スポイトを使い取り出した後は、こんな感じになります。

 

取り出したスラッジはこの様にモヤモヤしています。

 

動画で見るとよく分かると思いますが、とろろ昆布みたいな感じです。

 

水槽の前面をサッと取っただけでこれくらい取れました。

urushi
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時間が経つとスラッジは沈殿します。

 

新しいアマゾニアを水槽に足しソイルする

カップで水槽の水に浸していたアマゾニアを、エビを選別するネットでそっと掬います。

水槽内で軽くネットを揺らし、パラパラとアマゾニアを撒いていきます。

三角のネットは、この時ソイルを掬いやすいです。

撒き終わると、こんな感じに。少しデコボコだったりしますがレッドビーシュリンプが平らにしてくれます。

 

 

翌日の様子

翌日にはレッドビーシュリンプが平らにならしてくれています。

 

足しソイル後は頻繁にレッドビーシュリンプの観察を行う!

足しソイルをして数時間~数日、レッドビーシュリンプの観察は丁寧に行ってください。

万が一、『いつもよりツマツマの速度が遅い。』『レッドビーシュリンプが固まっている。』そう感じたら、レッドビーシュリンプを違う水槽に避難しましょう!

水替えをしても、大体の場合は栄養系ソイルからの溶出物(アンモニアや亜硝酸)の量に追い付かないので、違う水槽に移動するのが賢明です。

また、アマゾニアはロット毎にも癖が違うものです。天然の黒土を使用していることから、採取場所で違ってくるんですね。

アンモニアが3日後から出る物もあれば、アンモニアは出ずに高濃度の亜硝酸が出る物もあります。

 

レッドビーシュリンプの足しソイルの方法 -漆えび流 まとめ

この記事では「レッドビーシュリンプの足しソイルの方法 -漆えび流」について書きました。

自然界では、スラッジは長い時間をかけてバクテリアが分解してくれますが、狭い水槽では溜まる速度が速いので人工的に取り除いたり、水槽全体をリセットする必要があります。

足しソイルは、ソイルの栄養分が枯渇したり、ソイル内にスラッジが溜まってしまったときにリフレッシュさせるのにぴったりな方法です。

ただ足しソイルは手軽な反面、意外と難しい作業で慣れないとレッドビーシュリンプの調子を大きく崩してしまう恐れもあります。足しソイルで万が一状態が悪化しても対応できるように、レッドビーシュリンプを避難させる水槽を別途用意しておくことをおすすめします。

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urushi

エビ歴15年。(アクア歴:26年)。元プチブリーダー。本業ではラボで遺伝子組み換えた魚の研究者(お堅い仕事)をしていました。 今はまったり趣味でエビを楽しんでいます。 専門的なことも交えながら、レッドビーシュリンプの飼育について書いてます。ゆるーくお付き合いくださいませ。

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